研究資料に戻る ヴェーダ固有名詞・事項索引Vedic Index of Names and Subjects

Eの部

Eka-dyū§

Eka-dyū は Ṛgveda の一讃歌1 において詩人として言及されている。

  • 1viii. 80, 10. Cf. Ludwig, Translation of the Rigveda, 3, 112.

Eka-yavan Gāṃ-dama§

Eka-yavan Gāṃ-dama は Pañcaviṃśa Brāhmaṇa1 および Taittirīya Brāhmaṇa2 に言及される人物である。

  • 1xxi. 14, 20.
  • 2ii. 7, 11(Kāṃdama)。 Cf. Weber, Indische Studien, i. 32; Hopkins, Transactions of the Connecticut Academy of Arts and Sciences, 15, 69.

Eka-rāj§

Eka-rāj、「単独の支配者」「君主」は、「王」以上の意味を持たぬように思われる。Ṛgveda1 においてこの語は比喩的にのみ用いられる。しかし Aitareya Brāhmaṇa2 においては、また Atharvaveda3 においても、字義通りの意味で見出される。

  • 1viii. 37, 3.
  • 2viii. 15.
  • 3iii. 4, 1. Cf. Weber, Rājasūya, 141.

Ekāyana§

Ekāyana は Chāndogya Upaniṣad1 において或る学習対象を指す。St. Petersburg 辞典はこれを「一者(eka)の教説(ayana)」すなわち「一神教」と訳し、他方 Max Müller は「倫理学」を採り、Monier-Williams はその辞典において「世俗の知恵」を採る。2

  • 1vii. 1, 2. 4; 2, 1; 7, 1.
  • 2Max Müller と Monier-Williams はかくして Śaṅkara の nīti-śāstra「道徳の教え」という解釈に従っている。Cf. Weber, Indische Studien, 1, 267, 484; Little, Grammatical Index, 43.

Ekāṣṭakā§

Ekāṣṭakā. ── Aṣṭakā が満月の後の第八日であることは、Atharvaveda1 から明瞭に知られる。Ekāṣṭakā すなわち「唯一の Aṣṭakā」は、単に任意の Aṣṭakā ではなく、或る特定のそれを指すに違いない。Sāyaṇa は、一讃歌全体が Ekāṣṭakā を称讃する Atharvaveda2 への注釈において、この語の意味する日を Māgha 月(一月 ─ 二月)の暗分の第八日と定める。Taittirīya Saṃhitā3 においては、Ekāṣṭakā は一年にわたる祭祀を行おうとする者の灌頂(dīkṣā)の時であると宣せられている。Māsa をも見よ。

  • 1xv. 16, 2. Cf. Śatapatha Brāhmaṇa, vi. 2, 2, 23; 4, 2, 10.
  • 2iii. 10.
  • 3vii. 4, 8, 1. Cf. iii. 3, 8, 4; iv. 3, 11, 1; v. 7, 2, 2; Pañcaviṃśa Brāhmaṇa, v. 9, 4. Cf. Zimmer, Altindisches Leben, 305; Weber, Naxatra, 2, 341, 342.

Ejatka§

Ejatka は Atharvaveda1 における昆虫の名である。

  • 1v. 23, 7. Cf. Zimmer, Altindisches Leben, 98; Whitney, Translation of the Atharvaveda, 262.

Eḍaka§

Eḍaka は Śatapatha1 および Jaiminīya2 の両 Brāhmaṇa において「気性の荒い牡羊」を指すと思われる。

  • 1xii. 4, 1, 4. cf. ii. 5, 2, 15.
  • 2i. 51, 4(Journal of the American Oriental Society, 23, 332)。Cf. Eggeling, Sacred Books of the East, 44, 178.

Eṇī§

Eṇī は後期の諸 Saṃhitā1 において「牝の羚羊」を指し、おそらく Eta の女性形である。

  • 1Av. v. 14, 11; Taittirīya Saṃhitā, v. 5, 15, 1; Maitrāyaṇī Saṃhitā, iii. 14, 17; Vājasaneyi Saṃhitā, xxiv. 36. Cf. Zimmer, Altindisches Leben, 82.

Eta§

Eta は複数形(etāḥ)において Marut 神群の駿獣を指し、これは疾き種類の鹿であって、Ṛgveda1 に数度言及され、またその皮は Marut 神群が肩にまとうものとも言われる。2 Ṛgveda3 において一度これに適用される形容辞 pṛthu-budhna は、「広い蹄を持つ」4、「広い胸を持つ」5、「後部が広い」6 と種々に解されているが、それらが瞪羚(ガゼル)ではなかったことを示すように思われる。7

  • 1i. 165, 2; 169, 6, 7; v. 54, 5; x. 77, 2.
  • 2Rv. i. 166, 10. Cf. Roth, St. Petersburg Dictionary, s.v.
  • 3i. 169, 6.
  • 4Grassmann および Zimmer による。
  • 5Griffith, Hymns of the Rigveda, 1, 235.
  • 6Monier-Williams, Dictionary, s.v.
  • 7Cf. Zimmer, Altindisches Leben, 83.

Etaśa 1§

1. Etaśa は Ṛgveda の数箇所1 において、Roth2 によれば、Indra が太陽神 Sūrya に対して助けた被保護者の名である。しかしこれらすべての箇所において、Etaśa は単に太陽の馬を指すように思われる。3

  • 1i. 62, 15; iv. 30, 6; v. 29, 5.
  • 2St. Petersburg Dictionary, s.v.
  • 3Macdonell, Vedic Mythology, pp. 149, 150.

Etaśa 2§

2. Etaśa は Kauṣītaki Brāhmaṇa1 において、儀礼の最中に自分を遮ったがゆえに子らを呪ったと言われる聖仙の名である。それゆえ Aitaśāyana 族(Etaśa の後裔)は Bhṛgu 族のうち最悪の者と宣せられる。同じ物語が Aitareya Brāhmaṇa2 にも現れるが、そこでは聖仙の名は Aitaśa であり、Aitaśāyana 族は Aurva 族のうち最悪の者と記述されている。

  • 1xxx. 5.
  • 2vi. 33. Cf. Hillebrandt, Vedische Mythologie, 2, 173.

Edidhiṣuḥ-pati§

Edidhiṣuḥ-pati は Vājasaneyi Saṃhitā1 にのみ現れる語であり、そこで注釈者 Mahīdhara はこれを

「姉より先に嫁いだ妹の夫」を意味するものと解する。この意味はおそらく正しいが、Delbrück2 の指摘するように、この語形は疑いなく訛伝である。Didhiṣūpati を見よ。

  • 1xxx. 9.
  • 2Die indogermanischen Verwandtschaftsnamen, 569, n. 1.

Eraṇḍa§

Eraṇḍa、蓖麻(Ricinus communis)は、Śāṅkhāyana Āraṇyaka(xii. 8)に初めて言及される。

[Page1-121(承前)]

Evāvada§

Evāvada は、Ṛgveda2 のきわめて不明瞭な一箇所において、Ludwig1 により KṣatraManasaYajata とならぶ歌い手の名とみなされている。注釈者 Sāyaṇa もまたこの語を固有名詞と解する。しかし Roth3 はこれを「真実を語る」を意味する形容詞とみなす。

  • 1Translation of the Rigveda, 3, 138.
  • 2v. 44, 10.
  • 3St. Petersburg Dictionary, s.v.